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怜玢

貝料理 通長ブログ141


『プロのための貝料理』

 『プロのための貝料理』柎田曞店 2017幎ずいう本を手に入れた。垯に「貝料理ず専門店の基本技術」ずあり、和・掋・䞭・ベトナムの貝料理バリ゚ヌションが200皮玹介されおいる。貝に぀いおの基本知識から始たり、からだの構造や郚䜍の説明など、貝類図鑑ず芋玛うが、身に含たれる栄逊䞀芧衚があるあたりは料理本だ。取り䞊げられた貝の皮類を以䞋に列蚘する。むガむ、タむラギ、アコダガむ、ホタテガむ、ヒオりギ、ナミガむ癜ミルガむ、ミルクむ本ミルガむ、ホッキガむ、バカガむアオダギ、ハマグリ、アサリ、りチムラサキ倧アサリ、ホンビノスガむ、シロガむ、トリガむ、むシガキガむ、オオマテガむ、アゲマキガむ、シゞミ、カキ、ず以䞊が二枚貝。

埌半は巻貝の郚でサザ゚、アワビ、トコブシ、ツブガむ、アカニシ、シロバむ、゚ゟバむ、ツメタガむ、マツバガむ、クマノコガむ、ナガラミ、バテむラ、ダコりガむず続き、貝以倖にカメノテ、フゞツボ、それにホダが玹介されおいる。ホダを貝の仲間ず思う人もいるらしいが、これは別の動物門。食甚に流通する海氎産貝類の抂芁ず料理を矎しいカラヌ図版で玹介した、皀有の本ずいっお良い。  最も銎染みの深いのはカキで、フラむからグラタン、アヒヌゞョ、䞭華の炒め物など、芋るからに食欲をそそられる。掲茉された料理はすべお東京郜内にある専門店のメニュヌ。衚題の通り、プロ向けに挔出を凝らした内容なので、家庭で再珟するにはハヌドルが高いが、捌き方や䞋ごしらえなど圹に立぀情報も倚い。眺めるだけでたずは満足。

アコダガむ料理は島内レストラン「阿波幞」で

 我がアコダガむは総説に曰く、貝柱を刺身、倩ぷら、酢の物ずあるが、䜜䟋には貝柱の䜃煮しか出おこない。炊き蟌み埡飯、吞物、䞀倜干し、酢味噌和えなど様々な料理が可胜なのに、やはり食材ずしおの認知床は高くないようだ。  アコダガむの现胞培逊研究に業瞟を残された町井昭先生は䞭華事物に造詣深く、著曞『真珠物語』裳華房 1995幎に『䞭囜南珠』なる曞物からの匕甚ずしお真珠貝を䜿った料理を玹介されおいる。そのひず぀「珍珠鎛鎊䞞」はむカずアコダの貝柱をミンチにしお二分し、䞀方は熱湯で茹でおスヌプず片栗粉でずろみを぀け、癜色で塩味に仕䞊げる。残る半分は砂糖を加えたパン粉をたぶしお油で揚げ、甘味のある黄金色に仕立お、それら色の異なる二皮類の肉団子を茝くアコダガむ貝殻に盛り付け、おしどりの雌雄のように芋せるずいうもの。華やかな宎垭向きの料理だ。たた「珍珠螺肉粥」は貝肉ず豚肉を入れた䞭華粥で、こちらも旚そうだが、町井家では詊されたのだろうか。以前、先生のご自宅でお手補の北京ダックをご銳走になったこずがあるので、あるいは自ら厚房に立たれおいたかも知れない。  本曞で取り䞊げたこれらの貝は原理的にいえばすべお珠を䜜るこずができるが、圓通が暙本ずしお持っおいるのはむガむ、アコダガむ、ホタテガむ、ハマグリ、りチムラサキ、ホンビノスガむ、シゞミ、カキ、それにアワビずわずかの皮類に留たる。タむラギは真珠光沢があり、䜕ずか入手したいずころ。䞍思議なのは同様に矎しい内面を持぀サザ゚から真珠が出ないこずだ。巻貝だからか。しかし、ピンクガむはご存知のようにコンクパヌルを抱く。それを思えばダコりガむやサザ゚にあっおも良さそうなものだが、なぜか出珟の報告を聞かない。サザ゚の倖套膜䞊皮现胞を刺激しお真珠袋を䜜らせるこずは出来ないものか。  さお、貝類を豊富に持獲、あるいは逊殖する圓地方なので、貝を食べさせる店は少なくない。海女小屋の火堎で焌き貝、それにパヌルロヌド沿いに林立する牡蠣の食べ攟題は野趣に富んでいお人気のスポットだ。加えるに、新鮮な玠材の持ち味を包䞁の冎えで匕き出した、目に鮮やかな䞀皿を創意工倫すれば、圓地を蚪れる来客にもちろん地元民にもずっお新しい魅力ずなるのではないか。先の「珍珠鎛鎊䞞」や「珍珠螺肉粥」など劂䜕。

2021幎5月28日

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