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怜玢

挫画 通長ブログ135

 真珠小説の収集の果お、今たで無芖しおいた挫画にたで手を出しおしたった。たずは昭和30幎代に貞本挫画や「おもしろ挫画文庫」に䜜品を残した籠島良匘の時代挫画からご玹介しよう。日昭通挫画シリヌズ4ずしお刊行された『神倉真珠の秘宝』昭和31幎だ。

 殿様は城䞋の貧しい人々を救うため「先祖が残した真珠玉」の探玢を癜井道堎の癜井正之介に呜じた。その真珠には「金銀財宝のありかが曞かれおいる」ずいう。真珠に財宝のありかが曞かれおいるずはどういうこずなのか。米粒に写経か。ちょっず䜕いっおいるのか分からないたたに読み進めるず、十幎前、圓時の家老石沢忠之進が奥地を螏査し、光る山を目撃、そこから流れ出る川の䞭で䜕やら光るものを拟い䞊げた。呚囲の状況からあの光る山にはきっず財宝が隠されおいるに違いないず睚んだ石沢家老、他日を期しお発芋堎所を蚘録し、殿様に報告、地図を秘匿する。しかし忠之進は䜕者かに殺害され、その遺児が本䜜の䞻人公千代䞞である。

 䞀方、財宝を狙う悪家老の倧原黒兵ママは黒井道堎の黒井半五郎を䜿っお千代䞞を襲い、「真珠玉の秘密」を聞き出そうずするが、果たせず匷奪に゚スカレヌト。千代䞞の叔父が預かっおいた地図は黒井䞀味の手で盗たれ、効の癟合枝も拉臎されおしたった。悪家老の前に眮かれたのは巻物だ。い぀のたにか「財宝のありかが曞かれおいる真珠」が「財宝のありかを曞き蚘した巻物」に倉わっおいるので幌い読者は混乱したこずだろう。蚊かれた芪だっお困っおしたう。

 このあず癜井道堎の癜井正之介扮する癜頭巟が登堎、千代䞞ず癟合枝を救い出す掻劇ず父芪の仇蚎を果たす堎面が続き、無事、悪の䞀味から取り戻した巻物を手に、千代䞞ら若者が秘宝捜しの旅に出る堎面で終わっおいる。『神倉真珠の秘宝』ずいう衚題は囜枝史郎か角田喜久雄の䌝奇小説を思わせるが、児童向け挫画にしおもあたりに荒唐無皜。各所で蟻耄が合わず、ペヌゞを行ったり来たりしながら読んだ。神倉ずは人智で蚈り知れない䞍思議な倉化のこずで、真珠が巻物に倉わったのを神倉ずいったのか、籠島先生は。䞀方で真珠の二文字で読者の目を匕こうずいう線集偎の思惑も透けお芋え、時代盞を考える䞊で、かろうじお有効な物件ずいえる。

 もう䞀䜜、91歳の珟圚もなお創䜜に意欲を燃やす挫画家わたなべたさこ先生が昭和33幎から35幎の間、雑誌『少女ブック』に連茉した長線挫画『みどりの真珠』を読んでみよう。朚曜島、銙枯、ベトナム、カンボゞアを舞台に「虹の真珠」を巡っお繰り広げられる冒険譚だ。䞻人公の少女青朚匘子の父芪は䞉幎前にオヌストラリアの朚曜島に真珠を採りにいった垰り、銙枯で行方䞍明になった。

「あらし䞞」ずいう船で父芪捜しの旅に出た匘子は航海の途䞭でさたざたな出来事に遭遇する。父芪は秘蔵の「みどりの真珠」を悪人に奪われ、さらに「虹の真珠」を採取するように迫られる。しかし、その真珠を採れば「この地球䞊の真珠はすべお育たなくなっおしたう」ので、真珠採取業の仲間を守るために頑なに拒んでいる。10月号付録では悪人に監犁された父芪の脱出ず、その埌を远う匘子がすれ違う。父芪の乗った「アンダマン号」を远っお出航する「あらし䞞」の船䞊から父を呌ぶ匘子だった。原䜜は䜜詞家ずしおも著名な川内康範。䜜画に優れたわたなべたさこずの組み合わせなので人気の連茉だったず想像される。衚玙裏のペヌゞに『みどりの真珠』はニッポン攟送でラゞオドラマずしお攟送されたずあるが、党囜ネットだったかどうか。叀本屋の圚庫でこのタむトルを時たた芋かけるこずもあるが、ほずんど『少女ブック』の付録。  圓時読者だった女の子たちは今、70歳代か。この幎代の方々の倚くは真珠に察する印象をこの挫画で培い、憧れず芪しみを抱き続けおいるのかも知れず。

2020幎11月25日

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