2021年10月29日3 分家紋 館長ブログ146貝マークの話を続けよう。日本の伝統的な家紋に貝をモチーフにしたものがいくつかある。まず、サザエの「栄螺紋」(写真①)。ものものしい棘を持つ巻貝の貝殻を描いたもので、実際に突起のあるサザエがモデルにしても危険過ぎるが、威力を感じさせるにはふさわしいデザイン。イタヤガイは蝶番を...
2021年10月1日3 分貝マーク 館長ブログ145御木本真珠店のマークに関して問い合わせをいただいた。「貝M」(カイエム)と呼ばれているこのマークについては『御木本真珠発明100年史』(159頁)に大正2年から現在(平成5年)までの五種類が図示されている(写真①)。一般にこうしたデザインは具象から抽象に向かうことが多いが、...
2021年9月7日4 分缶詰 館長ブログ144前回、東洋水産が製造した缶詰ラベルの話を書く必要から、『缶詰ラベルコレクション』という本を手に入れた。オールカラーで350ページの文庫本サイズ。写真でご覧の通り、派手なピンクのジャケットに包まれている。公益社団法人日本缶詰協会が編集しており、巻末リストにある549点のうち、...
2021年8月5日3 分高﨑達之助と幸吉 館長ブログ143『鳥羽パノラマ幻燈館』は開幕から三ヶ月。ご来場の、特に地元の方々は昔の風景を前にして思い出話に花を咲かせ、楽しんでおられるようだ。何しろ百年も前の地図や絵葉書なので、色々と発見があって当然だが、たとえば、「樋の山青嵐・赤崎帰帆」のパノラマ写真に「東洋水産会社」という表記を見...
2021年6月30日4 分幻燈館 館長ブログ142江戸時代に東西航路の中継地として栄えた鳥羽は、また行楽の地でもあった。船乗りが出航の日和を見定めた「日和山」は対岸の知多半島から遥か富士の嶺までを視野に収め、国の光を見る「観光」の場として文人墨客をはじめ、多くの旅人が訪れた。鳥羽の自然の美しさは人々を魅了し、感興は数々の紀...
2021年5月28日3 分貝料理 館長ブログ141『プロのための貝料理』(柴田書店 2017年)という本を手に入れた。帯に「貝料理と専門店の基本技術」とあり、和・洋・中・ベトナムの貝料理バリエーションが200種紹介されている。貝についての基本知識から始まり、からだの構造や部位の説明など、貝類図鑑と見紛うが、身に含まれる栄養...